第25回日本冠疾患学会学術集会 会長(内科系)
宮崎 俊一
近畿大学医学部循環器内科 教授

 この度の東日本大地震による激甚災害に際して被災された皆様方へ、心からお見舞い申し上げます。多くの人命が失われ、原発の炉心融解に対する恐怖が持続している現状に対して、居ても立ってもいられない気持ちです。また、現地にて様々な救援活動を実施されている医療関係者、行政の方々、ボランティアの皆様方に対して、大変な御苦労とお察し申し上げると共に、御自身のお身体にも留意されて活動されることをお祈り申し上げます。
 先般来、既にお知らせ致しましたが、第25回日本冠疾患学会学術集会会長を仰せつかり、平成23年12月16日(金)・17日(土)に、大阪国際会議場において開催することになりました。この旨を既にホ-ムページに掲載しておりましたが、この度の国難とも言うべき大災害が発生したことは本学術集会の開催に大きな影響を与えるものと思います。従って、本学術集会の外科系会長である京都大学医学部心臓血管外科教授の坂田隆造教授とともに今後の状況変化に対して迅速に対応していく所存です。ただ、現時点では今後の状況予測が困難であることから、当面は当初の準備計画を継続せざるを得ないと考えておりますので、下記のこれまでの御挨拶を引き続き掲載させて頂きます。
 本学会は冠動脈疾患の研究・臨床・教育の発展と推進を目的に発足し、内科と外科が一体となって冠動脈疾患診療の質向上に寄与するという、まさに患者が望む医療の具現化に貢献して参りました。今回の学術集会におきましては『冠動脈疾患の統合的アプローチ -内科医・外科医・コメディカルの創る未来-』をメインテーマとし、冠動脈疾患の診療に関わる内科医および外科医、コメディカルの人々が積極的に情報発信する学術集会を目指しております。現場からの目線で冠動脈疾患診療における問題点を本音で議論し、明日からの実臨床に役立つようなメッセージを得ることができれば幸いです。本学術集会が実り多く、会員の皆様にとりまして有意義なものとなりますよう鋭意準備を進めております。また、冬の大阪には美味しいものが多くございますので、是非とも多くの皆様に演題応募して頂き、第25回日本冠疾患学会学術集会へ御参加して頂くように御願い申し上げます。
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第25回日本冠疾患学会学術集会 会長(外科系)
坂田 隆造
京都大学大学院医学研究科心臓血管外科 教授

 去る3月11日に発生した東日本大震災で被災された皆様、及び冠疾患学会会員の皆様に心よりお見舞い申し上げます。お亡くなりになられた方々のご冥福をお祈りするとともにご遺族に心からお悔やみを申し上げます。現在も被災地で献身的に医療を支えておられる会員の先生方、先生方の奮闘に深甚なる敬意を表すとともにご無事で難局を乗り越えられますよう心よりお祈り申し上げます。
 第25回日本冠疾患学会学術集会は本年12月16日(金)・17日(土)の両日、大阪国際会議場で開催予定です。日本の情況がそのころどうなっているのか、現段階では全く予想もできませんが、第25回学術集会の外科系会長を仰せつかりました者として、とり合えずご挨拶申し上げます。内科系会長は近畿大学医学部循環器内科の宮崎俊一教授で、第25回学術集会を充実したものにすべく、テーマは「冠動脈疾患の統合的アプローチ、-内科医・外科医・コメディカルの創る未来―」としました。この標語に込めた想いは、一人一人の患者の時間軸を中心にその時々に必要な治療法を重ね繋いで寄与するのが医療の在り方ではないか、という我々の共通認識であります。外科シンポジウム、内科シンポジウムという別々の企画を排し、内科・外科合同シンポジウムに統合したのもその表現のひとつです。
 冠動脈血行再建術に関して、日本循環器学会のもと、現在ガイドライン作りが冠動脈血行再建術協議会で協議中であることは既に多くの先生方もご承知のことと存じます。そこでは、CABGとPCIがこれまで何を達成でき、意図に反して何が達成できていないか、の検証をベースに内科・外科がどのように関与して最適の治療が提供できるのかを探ることを基本的な共通認識として、あるべきガイドラインを議論しております。その先に見据えるものは、現在治療効果の不明なテーマを、内科・外科が明確なルールのもと公開の場で検証していく日本発のエビデンスの構築であります。協議中の冠血行再建術に関わるガイドラインは、第25回学術集会のころには完成していると期待しており、これについての解説や討論ができればと考えております。
 宮崎会長と力を合わせて実りある学術集会にしたいと決意しております。先生方の積極的な参加とご協力を心よりお願い申し上げます。
 最後に今一度、被災地の皆様にお見舞を申し上げるとともに、一日も早い復興をお祈り申し上げます。
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